兄の恋人を寝取る弟 その2
勇人と唯が交わってから、1週間が過ぎたその日、唯は涙目で勇人の元へきた。
「勇人君…私、私」
今にも崩れ落ちてしまいそうな様子に勇人は驚きを感じた。
「どうしたの、唯さん?」
「健人が、健人が…」
言いながら唯は、勇人に倒れこむように抱きついてきた。
「唯さん?」
「健人が他の女と、宝石を買っていたの…私、捨てられたんだわ」
そのまま、唯は声をあげて泣き出した。
勇人は彼女の腰に腕を回し、優しく抱きしめる。
「唯さん、僕は唯さんのこと愛してる」
「勇人君…わ、忘れさせて、あの人の…こと」
唯が積極的に自らを求めることに勇人は嬉しく思った。
涙で濡れた目のまま、勇人にキスをしてきた。
彼女の方から積極的に舌を絡めてきて、勇人もそれに答える。
「んっ、んん…もっと、もっとしましょう…」
そう言うと、唯は自分から服を脱いでいった。
白い肌が美しく輝いて見える。
「勇人君も脱いで…」
唯は勇人の服も脱がしにかかる。
そうして、たちまち2人は全裸になった。
彼女の裸体を見つめる。
整った顔に、美しいうなじ、揉まれるのを待ち望んでいる乳房とつんとたった乳首。
ももは引き締まっているが、女性らしい柔らかみがあり、すらりとした足も美しい。
そして、その間にある彼女の秘所。
その全てが勇人に犯されるのを待っている。
「あんまり…じろじろ見ないで」
恥ずかしそうに唯が言う。
「だって、唯さんすごくきれいなのにじっくり見る機会が今まで無かったんだもの」
「もう…」
勇人の言葉に唯がさらに赤くなる。
(今日は唯さん、とっても積極的だ…)
兄の浮気が原因でも、自分に対してこうまで積極的になったのは初めてである。
「唯さん!」
勇人は見るだけではもう我慢できず、彼女の乳房から攻めることにした。
勇人の手が乳房を揉むと、柔らかく弾力を持って応えてくれる。
「あんっ……やぁ……勇人君…いいっ」
唯が積極的に快楽を肯定する。
初めてのことに勇人はさらに興奮する。
「ほんとにいい?気持ちいい?」
彼女をベッドに押し倒して肉体を堪能する。
そして今度は乳首に口付けして、チュパチュパと吸い付く。
「あっ…あんっ……いいよ、勇人君いいよ、もっと良くしてぇ」
頭を反らし、黒髪を振り乱して快楽を受け入れる唯。
自分の力で唯に快楽をもたらせばもたらすほど唯を自分のモノにしたような気分になる。
さらに乳房と乳首への刺激をさらに強くする。
「唯さん、今度は唯さんのここを気持ち良くするね」
そう言って、彼女の足の付け根に指を持っていく。
唯はその台詞を聞いて足を広げる。
(すごいよ、唯さんとっても積極的だ!)
兄に対して感謝の念すら湧いてくる。
彼女の秘所はすでにたっぷりと濡れていて準備は整っているように見えた。
しかし、勇人は彼女の乱れる姿を見たくて、秘所の突起に指を伸ばす。
「唯さんって、淫乱だね。ここ、こんなに濡らしちゃってさ。洪水だよ」
言いながら唯のクリトリスに刺激を与える。
「やっ……はぁん…私…淫乱じゃ、ない……ああっ…んぁ」
その声に勇人は指の動きをピタリと止める。
唐突に快楽の供給が止まり、唯が不思議そうに勇人の顔を見つめる。
「勇人君…?」
「唯さんが淫乱じゃないなら、こんなことしなくて良いよね?」
そう言って秘所から指をゆっくりと抜こうとする。
「い…いや!続けて!勇人君続けてよ!」
抜こうとした指を止める。
「唯さん、淫乱じゃないんでしょ?」
「そ、それは…私…」
唯が躊躇うのを見て勇人は指を這うようにしながら、彼女の亀裂をゆっくりと移動させる。
「あっ…ああっ……」
唯が喘ぎ声を抑えきれずに声を出す。
「淫乱じゃないなら、こんなことしなくていいでょ?」
笑みを含んだ勇人の声。
「…欲しいの」
囁き声が微かに勇人の耳に入る。
肩を羞恥に震わせ、耳まで赤くしての唯の台詞。
「何ていったの?唯さん」
「勇人君が、欲しいの」
先ほどよりはっきりと耳に入る声で唯が口にする。
勇人はなおも焦らそうとする。
指で秘所を刺激しながら問いを重ねる。
「僕の何が欲しいの?」
「勇人君のオチンチン…」
再び唯の声が小さくなる。
「だから、聞こえないよ。唯さん」
「頂戴!勇人君のオチンチン頂戴!」
我慢の限界に達した唯が大声をあげる。
「よく言えたね、唯さん」
勇人はにっこりと笑って唯に自分の肉棒を見せる。
それは女を求めてはち切れんばかりになっていた。
「僕も、唯さんが欲しかったんだよ」
勇人は笑いながら、唯の秘所に自らの肉棒を入れていく。
「あはぁ……勇人君くぅん…素敵…」
唯が甘えるように快感に酔うように勇人の耳元で囁く。
(くっ…唯さんの中、やっぱりすごいや)
勇人の肉棒がヌルヌルとした肉壁を突き進む。
そして、最後まで到達する。
「唯さん…最後まで入ったよ」
「勇人君…」
2人は1つになったままどちらとも無くキスをした。
「んんっ……んちゅ……んふ」
先ほどのキスよりもさらに密着した状態であり、熱烈なものとなった。
キスしながらも、唯の柔らかい乳房、優しく包み込む秘所などから快感が与えられていく。
さらに快感を得ようと腰を動かしていく。
「ああっ……やあっ……勇人君……あんっ……あぁん……いいっ…」
唯が勇人と繋がったまま乱れる。
今回の行為は今までよりもはるかに気持ちよいものだった。
何しろ、2人が心から快楽を求め、心を1つにしているのだから得られる悦びもまるで違う。
勇人は今回の行為で初めて1つになれたような気がした。
「唯さん、どう、もっと欲しい?僕が欲しい?」
「勇人君欲しい!もっと、もっと頂戴!」
勇人の問いかけに素直に快楽を求める唯。
そのことに気を良くした勇人は乳房を揉みながら、さらに腰を動かしていく。
「あっ……あっ……ああっ……やっ…勇人君…ああん」
唯が高みにのぼりつめる。
彼女と目が合い、その瞳にはさらなる快感を与えて欲しいという懇願が含まれていた。
「唯さん、唯さん、これでどう?」
勇人がさらに深く突き入れていく。
それに対して唯は髪を振り乱し、首を振りながら勇人の足と自分の足を強く絡める。
そして、2人は達する。
「くっ、うう!」
「ああん…もっと…もっと……ああっ…やぁ…あぁああああああぁあああ!」
ビュク、ビュク、ビュク、と唯の中に自らの想いを注ぎ込む。
そして全て彼女の中に注ぎ込むと、彼女の柔らかい肉体に倒れ込んでいく。
「ゆい、さん」
勇人は唯を抱きしめてその女体を堪能する。
唯も勇人を抱きしめ返して、互いに余韻に浸る。
「勇人くぅん…とっても…とっても…良かったよぉ」
快楽にまだ意識を奪われたままの声で唯が勇人に囁きかける。
「ほんとに?兄さんよりも?」
だが、健人のことを持ち出した途端、唯の瞳に涙が滲んでいく。
「ううっ、健人…」
また、泣き出しそうになる唯に勇人は焦る。
「唯さん、ごめん。ほら、僕のこれで、嫌なこと忘れてよ」
そう言って再び力を取り戻しかけていた肉棒を唯に差し出す。
それをぼんやりと唯が見つめる。
「ほら、これを舐めて…唯さん…」
勇人がそう言うと、理解したとばかりに舌で勇人の肉棒を舐め始める。
健人のことを忘れたい一心なのか、熱心にペチャペチャ肉棒を舐めていく。
「ううっ…唯さん…いいよ…」
勇人の快楽の呻きに気を良くしたのか、嬉しそうに笑みを浮かべ舐めていく。
しばらく舐めた後、今度は口に含む。
そこは唯の秘所とはまた異なる悦びを勇人に与える。
そのまま唯は奉仕を続ける。
「ん…んぐっ……んんっ……んむっ……んん」
先ほど出したばかりだと言うのに、勇人の肉棒は完全に力を取り戻していた。
「唯さん、すごくいいよ…」
その声に唯は奉仕を止める。
「唯さん…?」
「また、入れて…勇人君」
そう言って、再び足を開く唯。
「唯さん、ちょっと待って」
そう言って勇人は唯を四つんばいにさせる。
「勇人君…恥ずかしいよ」
獣のような格好をさせられ、唯が顔を赤らめる。
「この格好、やったことないの?」
「ないわよ…こんなケダモノみたいな格好…」
その台詞に勇人は興奮する。
(じゃあ、後ろからはしたことないんだ…)
「じゃあ、唯さん、僕とHな勉強しよう」
勇人はいやらしく唯の尻を撫で回す。
そして、唯の腰を掴んで背後から唯の秘所に肉棒を入れる。
きつく、締め付けるようにして、勇人を受け入れる。
「あっ…勇人君、やあっ、あぁん、恥ずかしい」
唯の恥らいながら快楽を覚える姿に勇人は悦びを覚える。
「ほら唯さん、すごくいいでしょ?」
そう言いながら、勇人は腰を動かしていく。
「あっ、ああん、やっ……いいのっ、いいっ、いぃっ、すごくいいの!」
髪を振り乱しながら唯が乱れていく。
「唯さんって、Hだね。こんな獣みたいな格好でして興奮するなんて!」
腰の動きを止め、背後から乳房を揉む。
ぐっとつかんだり、やわやわと揉みしだいたりとする。
背後からの行為はいつもと違った悦びを勇人に与えた。
獣のような格好で唯を乱すとまるで、唯を自分のモノにしたような感覚を得られる。
再び腰を動かして、唯の秘所を突く。
「あんっ、ああっ、あぁっ、もっと、もっと、勇人君、頂戴っ、もっと頂戴!」
顔を激しく振り、髪を振り乱しながら唯は狂ったように叫ぶ。
(もっと、唯さんをおかしくさせたい)
その思いから、勇人はさらに腰の動きを激しくする。
「やあっ、やっ、あぁっ、ああっ……勇人君、勇人君凄いのっ、私変になっちゃうよ!」
「唯さんは変だよ!こんな格好で興奮するんだもの!」
「いやあっ、言わない、でっ、ああんっ、ああっ、あっ!」
唯の秘所は勇人の肉棒を逃すまいとするかのようにきつくきつく締め付ける。
(もうっ、出そうだっ)
「唯さん、出すよ、そろそろ出すよ!」
「ああっ、出してっ、中に出してっ、ああっ、私、ああああああああああああああああ!」
唯の絶叫と共に勇人はドクン、ドクンと中に出す。
獣のような唯を快楽で屈服させたように思い、勇人は今までにない満足感を抱いた。
そして、唯の横に寝そべる。
2人して快楽の余韻に浸る。
しばらくして、唯の乳房を揉んだり、乳首を弾いたりしながら勇人は問う。
「どうだった唯さん、後ろからするのは?」
「あん、もう…良かった、気持ち良かったよ勇人君…こんなの初めて」
うっとりと夢見心地で答える唯。
「僕も、凄く良かったよ。兄さんよりも良かった?」
そのことが勇人には気になる。
「健人より良かった…勇人君凄くいい…」
その台詞で勇人は兄に勝利したかのような思いを抱いた。
兄から、唯を奪ったのだと言う実感が湧く。
「じゃあ、これからもしようね、唯さん」
「ええ…そうね」
(やった、唯さんが僕ともっとしたいって言った!)
そう思うと再び肉棒に活力が満ちていく。
「それじゃあ、しようか…唯さん」
「もう?ふふ…勇人君ってとっても元気ね」
淫靡な笑みを浮かべた唯に今度は正面から挿入していく。
「あっ……いいっ……勇人君いいよぉっ」
挿入と共に唯が喘ぎ声をあげる。
(もっと、もっとするんだ…)
兄よりもいいといわせた。
しかし、満足など到底していない、もっと唯を貪りたい。
そう思いながら勇人は激しく腰を動かしていった。
時崎勇人はその日も上迫唯がやって来るのを心待ちにしていた。
前回の唯は良かった。
自分とするほうが兄よりも良いと言って、さんざん声をあげさせた。
今回はどれくらい唯をイカせられるだろうか。
すでに勇人の肉棒は膨れ上がっており、準備は整っていた。
しかし、その日やって来た唯は悲しげな眼で勇人を見つめた。
「唯さん!」
唯が部屋に入ってきてすぐ勇人は唯に抱きつこうとしたものの、唯によって押し留められてしまった。
そのことに勇人は驚いた。
そのままキスをして、行為を始めようとしているのに、どうして唯は拒むのだろうか?
「唯さん、どうしたの?」
勇人は自らの疑問を口にする。
「勇人君…」
唯が何を言っていいか分からないと言った様子で立ち尽くしている。
焦れた勇人は質問を繰り返す。
「どうしたの唯さん?早くしようよ」
「…もう、あんなことしちゃだめなのよ…私たち」
そう言った唯の言葉が勇人には信じられなった。
一体、何があったというのだろうか。
「どうしちゃったの、唯さん?」
唯は顔を覆って泣き始めた。
「わ、私ね、勘違いしてたのよ…」
一体何を勘違いしたというのだろう。
その疑問に答えるように、唯は箱を取り出す。
そして、箱を開けると中にはダイアモンドが入っていた。
「健人はね、私を驚かそうとしてね、こ、婚約指輪を買ってくれてたの…」
そう言って、唯はしゃくり上げる。
勇人はその指輪を食い入るように見つめる。
「だって、兄さんは女の人と一緒に…」
唯は涙に光る目を勇人に向けて、話し出す。
「自分には指輪は良く分からないって、女友達に選ぶのを手伝ってもらったのよ…」
そう悲しげに言う唯。
勇人はそんな唯をどうしていいか分からない。
ただ、自分と唯の関係が終わってしまうというというのではないかと思った。
なんとか、しないと。
「そ、そんなの嘘かもしれない…」
勇人はようやくそう言った。
唯は首を横に振る。
「その人は、宝石店に勤めている人なの。誤解されるかもしれないから、
私と一緒に買った方が良いってアドバイスもしてくれたようだけど…
健人が、私を驚かせたいって言って…それで…」
その台詞に勇人は、宝石店に勤めている相手と浮気してたかもしれないではないか、と思った。
が、唯は兄のことを信じきっている。
「それで、どうするの…?」
勇人は分かりきっていることを聞く。
「返事を…待って下さいって言ったわ」
その言葉は勇人にとって意外だった。
まだ、自分にもチャンスがあるのではないか、と思った。
「どうして、すぐにOKしなかったの?」
「勇人君に、言っておきたかったの…こんなことはもうしないって…
そうしてから、プロポーズに答えようと思ってるの…
あなたとの関係にけじめをつけてからじゃないと、私…」
そして、唯は泣き崩れる。
兄の健人を裏切ったことへの後悔だろうか。
それとも、自分に対する謝罪だろうか。
彼女はひたすら、「ごめんなさい、ごめんなさい」といい続ける。
しばらく泣きじゃくった後、唯はすすり泣き程度になって来た。
勇人はしゃがみこみ、唯に視線を合わせる。
「それで、唯さんは僕とはもうしないの?」
「ええ、勇人君…これからは、ちゃんと勉強しましょう」
勉強、本来はそのために唯は勇人の元へやってきているのだ。
セックスのためなどではない。
だが、勇人は唯なしでは気が狂ってしまうとすら思っている。
(唯さんとできないなんて、そんなの絶対嫌だよ…)
だから勇人には納得できない。
「分かったよ…」
勇人はそう言った。
「そう、良かった…」
勇人の返事に唯はほっとする。
まさか、これほどあっさり認めてくれるとは思わなかった。
唯は勇人との行為に夢中になり始めていたので、これで安心して健人の元へ戻ることができる。
そう唯は思った。
しかし、勇人の次の言葉に唯は驚愕する。
「唯さんは兄さんを裏切ったのに、のうのうと兄さんのとこへ行くんだね」
「えっ…勇人君…?」
「僕に後ろからされて、獣みたいになってたのに、何事もなく兄さんのところへ行くんだ?」
その指摘に唯は勇人との行為を思い出してしまう。
思わず、体が熱くなる。
唯も分かっているつもりだった。
健人を裏切り、勇人と快楽を貪っていたということを。
しかし、改めて勇人に指摘されると罪悪感がこみ上げてくる。
「あ、あれは…私は健人が私のことを捨てたと思って…」
「僕の方が良いって言ってたよね」
確かに落ち込んでいた時にした勇人との行為は最高だった。
後背位での行為も最初は「ケダモノみたいだ」と思っていたが、
いざしてみると本当に獣のようになって交わり興奮したのだ。
「…とにかく、だめなのよ、勇人君…えっ?」
勇人が唯を抱きしめてキスをした。
驚きながら唯はキスから逃れようとする。
「ん…やあっ…勉強を…んんっ…するのよ、勇人君…んむっ」
なんとか勇人から逃れようとしながら唯が言葉を発する。
「うん、僕と唯さんがどうすればもっと気持ちよくなれるかの勉強しなきゃね」
言いながら胸を弄りベッドに押し倒す勇人。
「んあっ…やん…勇人君、だめぇ」
何とかして逃れようとするが、勇人は無視して、ブラウスのボタンを外していく。
純白のブラジャーごしに胸を弄り唇を貪る。
舌をいれて、自分の唾液をたっぷり注ぎ込む。
「ああんっ、んんっ…勇人…くん」
頬が紅潮しているのは羞恥からだろうか、それとも興奮しているからだろうか。
勇人は唯の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。
勇人は今度は直接、胸を弄り回した。
服ごしや下着ごしで触るのもいいが、やはり直に触るのが最高だ。
優しく勇人の手を受け入れ、柔らかく押し返す。
(やっぱり、唯さんは最高だよ)
この感触を手放すなどできるはずがない。
乳首を摘んだり、吸ってみたりと気の向くままに味わってみる。
「あっ、ああっ、ああっ、あんっ、勇人君、やっ、やあっ」
唯も感じてきているのか、勇人の行為を受け入れている。
「綺麗で、とってもいやらしいね…唯さん」
「いやあっ」
ブラウスのボタンを外され、ブラジャーを外され半裸になった唯は確かに淫らだった。
こんなことをしてはいけない。
唯はそう思いながら、勇人の下半身に目が行ってしまう。
ズボンからでも、勇人が自らを求めているのがわかる。
思わずつばを飲み込む唯。
(そんなところ、見てはいけないのに)
そう思ったが、勇人は目聡く唯の目線に気づく。
「そっか、唯さんも僕のが欲しかったんだね。
キスに夢中になって気づかなかったよ。ごめんね」
そう言って自らのズボンを脱ぎ、下着を脱ぎ自らの肉棒をさらす。
女を求めて、そそり立つそれはビクビクと震えていた。
唯はいけないと思いながら肉棒を食い入るように見つめてしまう。
勇人はそんな唯に悪戯心が起きる。
「えいっ」
「きゃっ、勇人君!」
勇人は唯のスカートをめくる。
一度してみたかったのだ。
それも唯相手に出来るとあっては興奮も並みのものではない。
肉棒がビクンビクンと反応している。
唯を押し倒した状態なのでスカートは捲れあがったままだ。
白く美しい脚が勇人の前にさらされる。
そして、濡れたショーツも。
「濡れたままでいると風邪をひくから脱がないとね」
勇人はショーツをずり下ろす。
「勇人君…だめ…」
唯の言葉にはもう力がない。
熱に浮かされたようにぼんやりとしている。
そこにはすでに男をスムーズに受け入れるための準備が出来ていた。
「こんなに濡らしちゃって…綺麗にしなきゃ」
そう言って唯の脚の間に自らの顔を押し込む。
今日は、舌で舐めていく。
少し、しょっぱい気がしたが構わず舐めていく。
「あっ……駄目…駄目よ、やっ……勇人、くんっ……駄目」
勇人は唯に顔を埋めたまま、唯の嬌声に調子付いてさらに舌で舐めていく。
そして、突起物に舌をあてると反応が特に良いことに気づいた。
「ああっ、ああっ、駄目っ、やっ、やぁ、そんなの、駄目なのにぃ」
(これが、クリトリスか…)
そこを指で摘んだり、撫でてみたり、舐めてみたりと色々と試していく。
「ああっ、やあっ、あぁぁぁぁっ」
何とか声を抑えようとしたものの唯は軽くイッてしまったようだ。
呆然とした表情でぐったりとする。
「気持ちよかった、唯さん?」
「ああ…駄目なのよ…勇人君…こんなこと」
「ほら、僕のオチンチン見てよ。唯さんが欲しいって言ってるよ」
唯はビクビクと震えている肉棒から目がそらせない。
あれを受け入れた時に快楽を思い出すと何も考えられなくなってしまいそうになる。
自分の理性が崩壊しつつあるのが分かった。
舌でイッた後、勇人の肉棒が欲しくてたまらないのだ。
(駄目よ、今日は勇人君との関係を終わらせに来たはずなのに…)
しかし、唯の肉体は勇人との行為を望んでいる。
抵抗しようという意思が起こらない。
「じゃあ、いれるね」
とうとう勇人が挿入を始めようとする。
「駄目、勇人君、だめ」
最後の理性を振り絞ってそう言うが、勇人の挿入は完了してしまった。
「ああっ、勇人君…」
自らの中に勇人を受け入れたことに絶望と喜びを覚える。
理性ではいけないと感じつつ、自らの肉体は勇人を離すまいとするかのように肉棒を締め付ける。
そして、勇人が自らの中に満ちたことに快楽が巻き起こる。
「何度やっても最高だね、唯さん…」
うっとりした声で勇人が唯の耳元で囁く。
思わず頷きそうになるのを唯は堪えて言葉を発する。
「駄目、駄目、勇人君、駄目なの…」
首を振って快楽を紛らわせながら唯が言う。
「なんで、駄目なの、唯さん?」
挿入したままの状態で勇人が問いかける。
「健人は裏切ってなかったのよ…だから…」
「兄さんは裏切ってるよ」
勇人は断言する。
なぜ、勇人が断言しているのか唯には分からない。
「どうして…?」
「だって、プレゼント買うために何度も女の人なんかと会うなんておかしいよ。
きっと、唯さんのプレゼント買うのはついでなんだよ」
「ついで…?」
「そうだよ、こんなこととかさっ」
そういって一回だけ勇人が腰を突き出す。
「ああっ」
与えられる快楽に思わず声をあげる。
確かに、そうかもしれない。
自分のプレゼントを買うというのは言い訳で他の女と浮気をしていたのかもしれない。
いや、そうに違いない。
それならば、勇人との行為に何の問題があるのだろうか。
それに、健人のプロポーズに即答をしなかったのはなぜだろう?
本当に勇人との関係を清算するためだったろうか。
自分も健人と結ばれることに疑問があったからではないか。
そう、目の前で自分を乱している少年を求めているのではないだろうか。
快楽と苦悩に濁った思考で唯はそう考えた。
勇人との快楽を得られるような思考を描いた。
それとともに唯の中で何かが壊れていく。
それは理性だったかもしれないし、健人への愛だったかのもしれない。
今は快楽を貪りたい、苦悩など捨てて。
そして、唯は言葉を発した。
「勇人君…して…」
一向に動こうとしない勇人に焦れた唯は小さい声だが、そう言った。
それこそ、ここにいない健人への決別の言葉だったかもしれない。
「何を、するの?」
穏やかに自分を見つめる勇人の声に苛立ちすら覚えながら唯は言った。
「セックス…して…」
その言葉に勇人の顔が輝く。
だが、なおも焦らそうとする勇人。
「大きな声じゃないと聞こえないよ」
「セックスして!オチンチンで思いっきり突いて!!」
とうとう唯は絶叫した。
その顔に理性はなく、快楽のみを求めた本能がむき出しとなっていた。
勇人にとっては、そんな唯も美しかったが。
唯の想いに答えるため、そして自らの欲望を満たすため勇人が腰を動かす。
「ああっ!ああっ!いいっ!勇人君、いいよぉ!もっと、もっとして!」
理性のタガの外れた唯は絶叫する。
そんな唯をさらに快楽で満たそうと勇人が腰で強く突く。
乳房を弄ったり、乳首を舐めたりしながら勇人は高ぶっていく。
「勇人君!あっ!ああっ!やあっ!凄い!気持ちいい!」
「僕も、僕もだよ!凄くいいよ!」
2人して天にも昇る気持ちで互いを貪る。
「兄さんのっ、ことはっ、良かったのっ?」
「知らないっ、そんなのっ、知らないっ!勇人君がっ、欲しいの!」
その言葉に勇人は力づけられる。
(唯さんは、もう僕のものだ!)
そして、スパートをかける。
「唯さん!唯さん!唯さん!」
「ああっ、やあっ、いいっ、やっ、ああぁぁぁああああぁああ!!」
2人は、共に果てた。
しばらく行為の余韻に浸っていた2人だが、やがて勇人が口を開く。
「唯さん、僕の恋人になってよ」
そうすれば何度でも唯を貪ることができる。
「勇人君…」
その提案に唯は驚いた表情を浮かべる。
照れくさそうにしながら勇人は続ける。
「僕、まだ子供だけど唯さんを絶対に幸せにするからさ」
「もう、勇人君ったら、こんなことしてから言うのなんて変でしょ」
笑いながら唯が勇人の顔を優しく撫でる。
そして、顔を朱に染めて言う。
「ちゃんと、幸せにしてね…」
「うん!」
そう言いつつ勇人は唯を四つんばいにさせる。
「ちょっと、勇人君?」
唯は自分の格好を思い出す。
ブラウスはボタンを外され、下着は脱がされた乱れた格好である。
裸よりも恥ずかしいかもしれない。
「こんな格好でしてたなんて…私…」
今度は羞恥で顔を染める。
「そう?スカートの中に何も穿いてないなんて…いやらしくていいよ」
笑いながら勇人は尻を撫でる。
「もう、勇人君ったら……ねぇ挿れて」
いったんは頬を膨らませたものの唯は勇人の肉棒をせがむ。
四つんばいになって振り向きながら懇願する唯に勇人は感動を覚えた。
「うん、唯さんを幸せにしないとね」
スカートをたくしあげて勇人はゆっくりと肉棒を唯の中にいれる。
「あっ……ああっ……勇人、くん……」
唯の声を聞きながら、自らも唯の中を味わう。
そこは勇人をきつく締め付けながらも決して拒絶しているわけではない。
唯の中に暖かく受け入れられながら勇人は腰をゆっくりと動かしていく。
「ああっ……勇人君……いい」
自らの乱れた格好すら快楽の前ではどうでも良いと唯は思っていく。
そして彼女は勇人の腰の動きに合わせて送られる快楽に身を委ねていく。
「あんっ……ああっ…ああっ……あっ……やっ」
婚約指輪返さなきゃ…
ぼんやりと唯はそんなことを思い、すぐにその思考も快楽の中に消えて言った。
「唯さん、くっ、いいよ」
「あぅっ……勇人くぅん…もっと……もっとしてぇ…」
その日、上迫唯に新しい恋人ができた。
そして、かつての恋人への別離を決意した日でもあった。
最近、唯の様子がおかしい。
そう思いながら、俺は日々を過ごしていた。
今までは軽い違和感を持つだけだったが、プロポーズの時の態度は明らかにおかしかった。
唯を驚かせるために買った指輪を渡したら彼女は泣き崩れ、しばらく待って欲しいと俺に言った。
やはり、こそこそと行動するのはまずかっただろうか。
女友達に頼み込んで指輪探しをした時も「本人と探したらどうか」と言われた。
俺が、唯を驚かせたいと思っているといったところ向こうも何も言わなくなったが。
だが、やはり何かがまずかったのだ。
次に唯と会った時に言われた言葉。
「分かれて欲しい」
そう言われたとき、俺は信じられなかった。
俺の何が不満なのか、それを聞いたら「あなたを信じられなくなった」と言われた。
俺が他の女と一緒に宝石店を周るのを見ていたようで、指輪のためだと言っても信じてもらえなかった。
結局、俺は唯に振られた。
それから、月日が流れた。
俺は唯を忘れることができずに傷心の日々を過ごした。
だが、そんな中で唯と再会する機会があった。
「彼女が僕の恋人の上迫唯さんだよ」
「よろしくお願いします」
そう言って唯は俺たちに頭を下げた。
弟の恋人。
彼女はそういう肩書きで俺たち家族の前にやって来た。
なぜ、どうして。
俺では駄目だったのに、弟が選ばれるなんて。
2人は結婚を控えているという。
俺はなんとかして、唯と2人で話をした。
「俺では…駄目だったのか」
「私、あなたと別れるときに悩んだの」
ならばなぜ。
その言葉を俺が発する前に彼女は続けていた。
「でも、今はそれで良かったと思うの」
彼女の穏やかな言葉が俺を切り刻む。
「どうして?」
俺は言葉をなんとか振り絞った。
「勇人君は私のこと愛してくれているし、あの人となら幸せになれると思うの」
心から満ち足りた表情でほほ笑む唯。
俺も、お前のことを…
「あなたは素晴らしい人だと思うわ。だから、縁のある人を探して幸せを見つけてね」
俺たちは縁がなかったというのか…
思わず笑い出しそうになる。
俺の心などわかるはずのない唯は穏やかに続けた。
「よろしくお願いしますね、お義兄さん」
お義兄さん。
彼女にとって俺は過去の人間となってしまったのか。
俺はうなだれたまま彼女の元を去った。
結婚式での唯は幸せに輝いていた。
ウェディングドレスなどよりもはるかに印象的で美しく彼女は幸福で輝いていたのだ。
俺は黙ってそれを祝福した。
そう、彼女は弟と幸せになれたのだから。
俺が彼女の幸せの邪魔をするわけにはいかない。
そして、自分の部屋で1人涙を流した。
それ位は良いだろう。
こうして、時崎健人の苦い恋は終わりを告げた。
俺は一体、何を間違ってしまったのだろうか?