出会い系エッチな体験談

嘘のもつれ

「じゃあね」
「おぅ」
手を繋いでいた二人は名残惜しそうに手を離すと、喧噪の溢れる駅で別れた。
彼等の姿を見れば皆一様に、お似合いの仲の良いカップルに見えるだろう。
しかし、二人はお互いに嘘をついていた。それは軽い気持ちだった。
相手に対する罪悪感は確かにあったが、これが堅固な愛情の崩壊のはじまりなんて考えもしなかった。

その日、信二は始めて合コンに行くことになった。カラオケのバイト仲間に誘われたからだ。
最初信二は合コンに行く気などなかった。
仁美という彼女がいることもその一つの理由だが、
そもそも唐沢を筆頭とするバイト仲間と以前から反りがあわなかった。
唐沢達はいわゆる不良で、高校を中退した後、様々な悪事を繰り返しているという悪い噂しか聞かない。
バイトに対する姿勢など信二とは相容れないものがあった。
その信二が彼等と合コンに行くことになったのは、普段にはない言葉使いでどうしてもと頼まれたからだった。
「頼むよ水橋。俺だってよっぽどの事がなきゃお前に頼むわけないだろ」
「でもなあ…」
「なっ頼むよ。あのM短大の子達が合コンしてくれるんだからさ。
どうしても人数合わさなきゃならないし、お前の他にその日都合のつく奴がいないんだよ」
「…わかったよ」
少しの逡巡の後信二は了承する。
「ホントか、助かるよ。じゃあ、土曜な、恩にきるよ」
信二は携帯をテーブルに置いた。一度は断ったが、本当のところ合コンには前から興味があった。
仁美に不満があるわけじゃないが、単純に合コンを経験してみたいという気持ちが勝る。
高校のときから仁美と付き合っている信二は合コンの経験が一度もなかった。
周りの楽しそうな噂を聞いてはどこか羨ましく思っていた。
それに唐沢達も付き合ってみればそれほど悪いやつじゃないかも知れない。
信二は胸に微かな罪悪感を覚えながらも、合コンの日が待ち遠しかった。

「ねっ、お願い、仁美この通り」
そう言うと、ユミは手を仁美の前で合わせた。
「だから、無理だって、彼氏がいるんだから」
「大丈夫だって、適当にその場の雰囲気に合わせていてくれるだけでいいから」
「でも…」
「何よ、仁美は彼氏がいるからそうやって余裕かましてんの」
「何いってるのよ。違うって」
「仁美、あたしたち友達でしょ。
いっつも、彼氏の話あたしの前でしてるのって、彼氏のいないあたしに対するあてつけだったの」
「そんな…」
「もういいよ、バイバイ」
ユミは怒って立ち去ろうとする。
「待って…わかった。付き合うだけだからね」
仁美はユミの背中に向かって言った。
ユミは直ぐに振り向くとすでに顔は笑顔で、
「ありがとう!!さすがユミだね。じゃ詳細は後で連絡するから」
そう言うと、ユミは瞳に抱き着いて大袈裟に嬉しがった。
仁美は内心不安だった。信二にばれたらどうしよう。信二は嫉妬しやすいから。
そもそも仁美はこれまで合コンに行ったことがないし、王様ゲームなど噂でいい話も聞かない。
仁美は仕方なく承諾したが、合コンのその日まで不安が尽きる事はなかった。
ただ初めての世界への胸の高鳴りも不思議とあったのも事実だった。

信二は駅で仁美を見送った後、待ち合わせ場所のバイト先に急いで向かった。
「おっ、水橋こっちこっち」
唐沢達は既に待っていて、信二を見つけて手招きする。
「今日は助かったよ。命の恩人だ」
「なんだよ。大袈裟だな」
「当たり前だろ。こっちは飢えてるんだからな。もう何日も女とやってないよ。
もちろん水橋にもちゃんとアシストするからな」
唐沢は笑顔を浮かべ信二と肩を組んだ。
「でも、俺彼女いるからなぁ」
「ばれないって。それに、彼女も他の男と遊んでるかもしれないぞ」
唐沢は苦笑いをしながら、何心配してんだよという顔で溜め息混じりに言う。
「はっ…」
信二は仁美の顔を思い浮かべ、まさかなと首を振った。
「まっ、いいや。遊びだよ遊び。気楽に行こうぜ」
「そうだな」
そう思うと何だかわくわくする。
「よし、じゃ行くか」
信二と唐沢達は意気軒昴に合コンに向かった。

仁美は信二に手を振る。罪悪感はあるが信二は鈍感だから気付いている様子もない。
待ち合わせ場所に着くと既にユミ達が待っていた。
「仁美、すごいお洒落してんじゃん。やる気満々だね」
「そんな事ないよ」
確かに仁美はいつもよりお洒落をし、化粧も念入りにしていた。
それにしても、信二が朝からその事に気付かない事に仁美は少し不満だった。
「信二のやつ何も見てないんだから」
「どうしたの?今日の合コンの事でも考えてるの?」
ユミはいやらしく聞いた。
「ちがう、ちがうよ」
仁美は慌てて手を振って否定する。その様子にユミは堪えきれず吹き出す。
「まっ、なんにしても、やる気があるのはいい事よ。
でも、あたしが気に入った子に手をだしちゃダメだからね」
「わかった、わかった」
仁美もユミの様子に可笑しくて笑ってしまう。
「じゃ、そろそろいこっか」
仁美とユミ達は昂揚する気持ちを互いに隠せず、キャアキャア騒ぎながら合コンに向かった。

信二達は約束より早く女の子との待ち合わせ場所に着いていた。
「で、どんな子達がくるんだ?」
「それがよ、M女子短大の子がうちのカラオケに来て、そのときお近づきになったんだよ」
「唐沢、バイトで何やってんだよ」
信二は溜め息をつく。
「何やってんのって、お客を楽しませるのも仕事だろ」
まぁ、揉めたくないので、一理あるとこの場は思っておく。
「おい、来たぞ」
唐沢の言葉に信二は急に緊張しだす。
女の子達はこちらの様子を伺うように互いに耳打ちをしている。
信二達からは逆光になって女の子の顔がよく見えないが、
その中の一人の女の子が小走りで近付いてくる。
「唐沢君、待った?」
「いや、俺らも今来たとこ。それより可愛い子誘ってくれたんだろうな」
「任せといてよ。あたしの友達の中でも選りすぐりの子ばかりだから」
「ほんとかよ」
唐沢は疑うように女の子達を物色する。女の子達はまだ耳打ちしあっている。
信二は一見興味無さそうに振る舞っているが、それとなく女の子達を伺っていた。
その時、唐沢と喋っている女の子と目があう。女の子は信二を物色するように見て微笑んだ。
女の子は信二から目を逸らすと、後ろを振り向いて様子を伺っている女の子達に手招きした。
女の子達はひそひそ話しをしながら近付いてくる。
信二に女の子達の顔がだんだんと伝わり、ハッキリと分かった瞬間、信二の顔は引き攣った。
「…仁美?」
信二はいるはずのない仁美の姿に呆然とする。
仁美は信二のことが遠目に気付いていた。そして信二の姿を近くで見て確信し、同じく呆然としていた。
信二は仁美を怒りを帯びてじっと見つめる。仁美も信二を不安げに見つめ返す。
「どうしたんだ、水橋?」
唐沢が信二に訪ねる。
「…いや、なんでもないよ」
口ではそう答えるが、なんでもないわけがない。
信二は再度仁美に目を遣るが、仁美はすっと目を逸らしてしまう。
「それじゃあ、揃ったみたいだし行こうか」
唐沢がそう言うと、二人を除いて皆気持ちの昂りを押し隠しながら歩み始めた。

男5人と女5人がカラオケのパーティー用の個室に緊張しながら向かい合って座る。
信二の前にはユミが座り、仁美の前には唐沢が座った。
信二は対角線上に座る仁美を見る。仁美も信二を不安げに見ている。
「それじゃ、自己紹介しようか。まず、俺は唐沢大輔、二十歳
じゃあ、次は君」
唐沢は仁美に促す。
「えっと…、小倉仁美です。私も二十歳です」
仁美は信二と楽し気に喋る時の半分くらいの声の大きさで話す。
「あたしは神戸ユミです。あたしも二十歳。じゃあ次は君ね」
ユミは信二に笑顔を向けて促す。
「水橋信二です。二十歳」
信二は抑えようとしても少し声に怒気が混じる。
その後、全員の自己紹介が進み、ユミが皆の飲み物を注文し料理が並ぶと、合コンは和やかに進んでいく。
皆少しずつ打ち解けていき、男女が入り乱れての会話が弾む。
「仁美ちゃんは彼氏いるの?」
唐沢は仁美に親し気に聞く。
信二はユミと話していたが、唐沢と仁美の会話に聞き耳をたてる。
「…うん」
仁美の返答に信二は少しホッとする。
「そうなんだ、残念だなぁ。でも、今日合コンに来たと言う事は彼氏と上手く言ってないの?」
「そんな事ないけど…」
仁美は信二を軽く伺うと少し曖昧に答えた。
信二は途端にむっとする。
「ねぇ、ってば。信二君聞いてるの?」
ユミは上の空になっている信二に言う。
「えっ…うん、聞いてるよ」
「ホント、なんか上の空だよ。あたしと喋るの退屈?」
「そんなことない、そんなことないよ。すごい楽しい」
信二は大袈裟に頭を振る。
ユミは一瞬疑わしそうな顔をしたが、信二の焦ってる様子におかしそうに「わかった」と言うと笑った。
「信二君ってかっこいいね。彼女いるの?」
今度は仁美が信二を伺い見る。信二はその様子に気付いて。
「いるけど、あんまり、上手く言ってない」
とさっきの仁美に仕返しのつもりでそう仁美にも聞こえるように言った。
仁美はその言葉に戸惑い、目の前のチューハイをぐっと飲んだ。

場は酒の勢いもあって次第に盛り上がっていく。
信二はトイレに行きたくなり立ち上がると、暫くしてトイレに唐沢も入ってきた。
「よっ、気に入った子はいるか?」
唐沢は信二の隣に立つと楽しそうに聞いて来た。
「うん。どうかな」
「なんだよ。しっかりしろよ」
唐沢は信二の身体を揺らす。
「おいっ、危ないな。お前にかけるぞ」
「おっ、止めろよ」
唐沢は大袈裟に避ける。
「お前の前に座ってるユミって子、お前に気があるぞ」
「ほんとか」
仁美の事が気になってそれ所ではなかった。
「ほんとだって。結構可愛いじゃん」
「そうか」
確かにユミは仁美とは違った今時の子っていう可愛さがある。
「それでな、俺は仁美ちゃんにするよ」
唐沢のその言葉に信二は驚き唐沢の顔を見る。唐沢はにやっと笑う。
「仁美ちゃんのおっぱいでかいよな、あぁー揉みたい」
「で、でも、彼氏いるって言ってたぞ」
信二は慌てて言う。
「バカか、何いってんだよ。その気があるから合コンに来てんだろ」
唐沢はそう言うとまたにやっと笑うとトイレから出ていった。
「おい、ちょっと…」
信二は言い様のない不安に襲われていた。

同じとき、仁美もユミと化粧直しに手洗いに来ていた。
「ねぇ、信二君ってかっこいいと思わない?」
「そうかなぁ」
「もう、仁美は見る目ないね。まっ、仁美のタイプじゃないか」
「…うん…」
「仁美は唐沢にしときなよ」
「もう、私はその気ないから」
「まだ言ってんの。まぁいいけど。私は信二君にアタックする」
「…そう」
仁美はユミの言葉に不安と共になぜか嫉妬する。
ユミは女から見ても可愛いし、信二は私が合コン来た事に怒ってるしもしかしたら。
仁美は不安な気持ち募る。

唐沢はユミ達が戻ってくると席換えを提案した。唐沢はすぐに仁美の隣を確保する。
信二の隣にはユミが座る。ユミは少し酔っているのか信二をうっとりと見つめる。
その様子を仁美は嫉妬と不安から逃さず見ている。
「仁美ちゃん、今度何処かに一緒に遊びに行こうよ」
「うん、そうだね」
仁美は唐沢を見つめ信二に聞こえるようにそう返答する。
信二は仁美の行動に何考えているんだといら立ちが募る。
信二と仁美はもうお互いの気持ちが推し量れ無くなっていた。

男女は段々互いの話が尽きて来る。そのタイミングを見計らって唐沢が皆に提案する。
「王様ゲームでもやらないか」
その言葉に信二と仁美はドキッとする。
仁美は唐沢を見遣るが唐沢は笑顔を返す。
「おい、待てよ」
信二は堪らず声をあげる。
「そういうのは嫌な子もいるかも知れないだろ」
唐沢は信二を睨み付ける。
「えぇなんでだよ。ただのゲームだろ。なぁ」
唐沢は他の男に賛同を求める。男達は一斉に野次と避難の目を信二に向ける。
「ユミどうなんだよ。いいだろ」
唐沢が話をユミに振ると。
「いいよ。やろうよ」
とユミは俄然乗り気だ。
「ちょっと、ユミ」
仁美がユミに助けを求めるように言う。
「いいじゃん。ただのゲームだって。ねっ、信二君もいいでしょ」
そう言うと、ユミは信二の肩に寄り掛かる。
その瞬間仁美の顔が微かに変わったのを信二は見のがさなかった。
信二は慌ててユミから離れる。
そうこうしている間に、唐沢が割り箸を集めてクジを作る。
「よしやろうぜ、ねっ、仁美ちゃんもいいだろ」
仁美は戸惑いながらも頷く。

「さっ王様はだれだ?」
唐沢が見回す。向いに座った女の子が控えめに手をあげる。
「さっ、なんでも命令してくれよ」
唐沢が命令を促す。
「えっと、じゃあ。三番が四番にピラフを食べさせてあげる」
その指示を聞いて、信二以外の男は一斉にブーイングをする。
信二は過激な内容になるんじゃないかと思っていたので少しホッとする。
「ま、最初だからな。四番は俺だ、三番は誰?」
唐沢は明らかに不満げな男達をなだめると、自分の割り箸をみんなに見せた。
「あの…私です」
仁美が遠慮がちに手を挙げる。
「えっ、仁美ちゃん。ラッキー!」
唐沢は仁美に笑いかける。仁美も苦笑いを返す。
「早くやっちゃいなよ」
ユミが不満げに言う。
仁美はその言葉に慌てて新しいスプーンでピラフを掬うと唐沢の口元に持っていく。
「仁美ちゃん、自分のスプーンで食べさせてよ」
仁美は一瞬たじろぐが周りの早くという目を見て、自分の使っていたスプーンでピラフを掬い唐沢に食べさせた。
「仁美ちゃん、関節キスだね」
唐沢は口をモゴモゴさせて言った。
仁美は曖昧に頷くと、信二を伺い見る。信二は何事もなかったように、ユミと会話している。

「よし、じゃあ、また引いてくれ」
みんな、唐沢の手に束ねられたクジを引く。
「おっ、俺が王様だ!」
唐沢は勝ち誇ったように、クジをみんなに見せる。
信二は唐沢の笑顔を見て不安になる。
「じゃあ、女の子は右隣に座っている男の頬にキス」
信二と仁美はえっと唐沢を見る。男達は喚声を挙げ、女の子は「えぇーやだー」と口々に言う。
「頬にキスぐらいなんてことないだろ」
唐沢は仁美を見ずに笑顔で言う。
仁美はユミに助けを求めるように見る。
その瞬間、ユミは信二の頬にキスをした。
信二は驚いてユミを見る。
ユミは少し照れくさそうに信二を見る。
その姿に触発されて、女の子達がキスをしだす。そして、キスをしていないのは仁美だけになった。
「仁美、早くやりなよ」
仁美は言葉を発したユミを怪訝な様子で見て、続けざまに信二を睨んだ。
信二は仁美からすっと目を逸らす。
仁美はその様子にかっとして、唐沢に身体を寄せると頬に軽いキスをしようとした。
すると唐沢がその瞬間顔を仁美のほうに向けたせいでお互いの唇が重なってしまう。
「うわぁ、仁美大胆だね、王様の命令は頬にキスだよ」
ユミがいやらしく瞳を見る。
「いいなぁ!」「俺にもしてよ!」
男達は一斉に喚声を挙げる。
信二は呆然とその様子を見ていた。
胸を拳で叩かれたかのような衝撃を受け、その胸が強く締め付けられる。
仁美の顔をまともに見る事が出来ない。ただ視界の端に映る仁美の姿が胸をまた締め付ける。
「仁美ちゃんの唇やわらかいね」
唐沢は仁美に囁くように、しかも、周囲に聞こえるように言った。
仁美はその言葉に頬を染め、唐沢を睨む。しかし、唐沢は意に返さず笑顔を見せる。
仁美が信二の様子を伺うと微かに震えているのが分かる。

「よし、次やろうぜ!さっ、クジを引いてくれ!」
「いぇーい!!」
二人を除く、男女達が目に見えて昂揚していく。
「…おい、やっぱ…こう言うの止めようぜ」
信二は俯き加減で、苦笑いを浮かべ言った。
「おい、水橋、お前何言ってんの、空気読めよ。みんなやる気満々なんだよ」
皆が同意と非難の声をあげる。
「信二君、ただのゲームじゃん。あたし、楽しいよ」
そう言うとユミは信二に引っ付く。
「…でも」
「じゃあ、お前帰れよ」
「…ああ」
「えーえ、信二君帰っちゃ、やだ」
立ち上がろうとした信二の袖をユミが引っ張る。
「ユミ、こいつがいたら場の雰囲気が悪くなるだろ。仁美ちゃんもそう思うだろ」
「…私もそろそろ帰ろっかな」
「どうして、楽しそうにしてたじゃん」
「やっぱり、王様ゲームは…」
「…わかった。じゃ王様ゲームはラスト一回にしよう」
唐沢の言葉に男達は一斉に非難の声をあげる。
唐沢は皆をまあまとなだめる。
「仁美ちゃんこれならいいだろ」
仁美は信二を一瞬見て頷いた。
信二も仕方なくその場に座り直す。

「よし、じゃあ、気を取り直して」
全員が一斉にクジを引いた。
「王様誰だ?」
「あっ、また俺だ」
唐沢が頭を掻きながら名乗り出る。
二人はまた不安になる。
「じゃあ次の命令は三番が王様にディープキス」
仁美はその瞬間顔面が蒼白になる。
その様子を見て取った信二も顔が引き攣る。
「三番だれー?」
ユミは明るくみんなに聞く。
「あれ仁美ちゃん三番じゃん」
唐沢が仁美の割り箸を覗き見てニヤニヤ笑って言った。
「さっきは軽いタッチだから、今度はしっかりと確認しあえるね」
仁美はいやいやと首を振る。
「もう、仁美。さっきは自分から唐沢の唇にキスしたくせに」
ユミは他の女の子達にねっと相槌を求め、皆笑いながら「そうだよね」と口々に囃し立てる。
「じゃあ、しよっか」
唐沢は仁美の腕を掴むと身体を引き寄せ背中に手をまわす。
「ちょっと、やだ」
仁美は身体を捻るが、唐沢に抱えられ身動きがとれない。
周の囃し立てる声が徐々に大きくなる。
仁美は助けてと信二を見つめる。
「待てよ!!嫌がってるだろ」
「はあ、お前には関係ないだろ」
信二は深く息を吸い込む。
「関係あるよ、仁美は俺の彼女だ!」

その言葉に、皆が本当かと確認するように顔を見合わせる。
仁美はその言葉を受けて、唐沢の束縛から逃れる。
唐沢は仁美を見つめ、信二を睨み、何度か頷くと顔が怒りで豹変し怒声をあげた。
「そう言う事かよ。さっきから可笑しいと思ってたんだよ。お前ら何回も目で確認しあってたしなあ。
ふーん。彼氏彼女のいない俺らのことバカにして見てたんだな。あー可哀想な奴らってなぁ」
「…そんなことない」
「ふざけんじゃねぇ!!」
唐沢はグラスを壁に投げ付け切れて叫んだ。
「ユミ、お前どう言う事だよ」
「あたしも知らなかった。仁美、最初の顔合わせから今までそんな事口にしなかったし」
そう言うと仁美を睨み付ける。
「ユミ、あのね、言おうとしたんだけど…」
「仁美あたしのこと笑ってたんだ。
信二君が好きって言ったとき、あたしの彼氏なのにこいつバカだって笑ったんだ」
ユミは涙目になっている。
「…違う」
「何が違うのよ!!」
「ふっ、もういいよ」
唐沢は気が抜けたように椅子に深く座り込んだ。
「水橋お前もう帰れ」
信二はその言葉を受けて立ち上がる。
仁美も立ち上がろうとすると唐沢が仁美の腕を掴んだ。
「おい、なんだよ」
「お前は帰っていいけど、仁美ちゃんはダメだ」
「なんでだよ、ふざけんな!!」
「ゲームが終わってないだろ。俺らだって、このままバカにされたままじゃ、納得いかないよ」
信二が周りを見回すとみんな冷たい目で見ている。
「今日のことは悪かったよ」
「悪かった。ふざけんな!!」
唐沢の言葉に信二はたじろぐ。
「信二君、知ってる」
突然ユミが信二を見上げ涙を拭いながら話しだす。

「仁美、信二君の知らないところで、いろいろあそんでるんだよ」
ユミの突然の言葉に仁美は驚き唖然とする。
「嘘よ!!」
「仁美、信二君の前だからって、可愛子ぶるのやめなよ。何度も一緒に合コン行ったじゃない」
「…仁美」
信二は驚き仁美を見遣る。
「信二、嘘だから、合コン来たのだってユミに無理に頼まれた今日が初めてだから」
仁美の目から涙が溢れる。
「いいかげんにしなさいよ。先週の土曜なんて、気が合った人とそのままお泊まりしたじゃない」
信二は先週の土曜のことを振り返る。確かにその日、仁美は友達の家に泊まりに行くと言っていた。
「嘘!!あなたが相談があるからって言うから、一晩中相談にのってあげていたんじゃない」
「でも仁美ちゃん、今日、合コンに来てんじゃん」
唐沢は笑いながら言った。
仁美は言葉に詰まる。信二をお願い信じてと見つめる。
信二は疑心暗鬼になっていた。
まさか、そんなはずはないと邪念を振払おうとするが、もしかしてと考えてしまう。
「とりあえず、水橋は帰んの?どうすんの?おれたちは合コンの続きするから」
唐沢は仁美の腕を引っ張り座らせる。
「でも、仁美ちゃん、うぶそうに見えて、その日のうちにお持ち帰りされちゃうんだ」
唐沢はにやっと笑う。
仁美は違うと首を何度も振る。
信二は何がほんとうか分からず、仁美を信じきることもできず、呆然と椅子に座り込んだ。

「じゃあ、続きやろうぜ」
「ま、待ってくれ」
唐沢は信二の言葉を無視して仁美を抱え込むと、躊躇なく仁美の口に自分の口を重ねた。
信二は虚しく響いた自分の声に、自分の彼女が他の男とキスしている事実を突き付けられる。
唐沢は呆然とした信二を横目で見ると、舌で仁美の唇を嘗めまわし仁美の口の中に舌を入れる。
仁美は目を瞑り早く終わってと唐沢の肩を手で押す。
周りからは次々と囃し立てる声が聞こえる。
信二はその様子を震えながら見ている。「…仁美…」
仁美の唇に蠢く唐沢の舌を凝視する。そして、嫌がる仁美の顔をじっと見つめる。
仁美のいつもの笑顔とは違う歪んだ顔に胸が締め付けられる。
唐沢は仁美とのキスを堪能すると最後に軽く仁美の唇にキスをした。
「よかったよ」
唐沢は仁美に囁きかけた。
仁美はすぐにハンカチで唐沢の唾液のついた口を拭う。
唐沢はその様子を可笑しそうに横目に見て
「さっ、みんな、クジを引いてくれ」
と、クジを差し出す。
信二と仁美は驚いて唐沢を見る。
「これが最後って言っただろ!」
「何いってんだよ。お前らだって嘘ついてたんだろ。これでお相子にしてやるよ」
「…」

「王様だーれだ」
「あたしだー」
ユミは幸せそうに手を挙げた。
信二と仁美はユミが王様になった事にホッとするがそれも一瞬だった。
「じゃあ次の命令は、四番が下着姿になる」
ユミは平然と言った。
「おまえじゃないだろうな」
男達は四番が男じゃないと知るとはしゃぎだした。
「やったー。誰だよ」
男達は女の子を見回す。
仁美は震えだす。
「えっー仁美なの。ごめんねぇー。でも、いいじゃん下着ぐらい。
仁美のでかい胸みんなに見せてあげなよ」
男達のぎらついた目が仁美の胸に注がれる。
仁美は何も答えず、俯いて座っている。
信二が堪らず言葉を発しようとすると、唐沢が信二を睨み付ける。
「仁美ちゃんゲームなんだから。はやく脱ぎなよ」
「のり悪いよ、仁美」「そうだよ、脱ぎなよ」
女の子達が仁美に野次を投げかける。
仁美は恐怖から動く事が出来ない。
その様子を男達はニヤニヤ笑いながらみんなが見ている。
「どうしたの。一人じゃ脱げないの?じゃ脱がせてあげようよ」
ユミが女の子達にけしかけると、ゾロゾロと仁美に近付き、仁美の服に手を掛けた。
女の子が仁美の身体を押さえ、ユミが仁美のTシャツを捲り挙げる。
仁美の白い下着が露になり、下着越しにも仁美の豊満な胸がうかがえる。
「うおっー」
男達が喚声をあげる。
ユミは誇らし気にTシャツを戦勝品のように頭上に掲げる。
仁美は恥ずかしさから両腕で胸を隠す。
しかし、その手を押さえられると、ユミは仁美を押し倒しジーンズを脱がしにかかる。
仁美の抵抗も多勢に無勢で強引に脱がされる。
仁美の艶かしい身体のラインが露になり、男達の興奮が最高潮になる。
信二はその様子を黙って見ている。飛び込んで助けたかったが、身体が動かない。
男達の仁美を見るいやらしい目が信二を苦しめる。
仁美の身体を男達は嘗めるように見つめる。
「仁美、清純な振りして白なんか着けちゃって」
ユミの言葉が仁美を追い詰める。
仁美は身体を丸め男達のいやらしい目から逃れようとする。
「仁美ちゃん、やらしいー」
男達は仁美の恥ずかしがる姿に興奮している。
「早く次やろうよ!」
ユミは楽し気に言った。

「王様だーれだ」
「俺だ」
唐沢は満面の笑みで手を挙げた。
信二と仁美はゾッとする。次はどんな命令をだしてくるんだ。
男達はハイタッチをしている。
「そうだなぁ、次は、フェラチオしてもらおうか」
信二はその言葉が信じられず唐沢を見る。
唐沢は不敵に笑う。
「二番にやってもらおう」
信二は仁美をすぐに伺う。身体を丸めている仁美は信二に対して首を横に振る。
信二はホッとして途端に肩から力が抜ける。
とにかくよかった。口からは溜め息がもれる。
「えー、あたしだ」
ユミが奇声をあげる。
「残念だったなユミ。それじゃあ、六番の奴にやってやれ」
信二は気が抜けて、唐沢の話も聞かずソファーにどっかりと腰を下ろしていた。
ユミが信二のズボンを脱がそうとしているのにやや合って気付き驚く。
「何やってるの!」
「信二君、六番でしょ」
信二は慌てて、割り箸を見る。先端には確かに6の文字が。
ユミは黙々と信二のズボンを脱がせる。
「ちょっと、待って。ユミちゃん、こんなことホントにやるのか?」
「しょうがないじゃん。ゲームなんだから」
ユミは肩を竦めると、ズボンを脱がせてしまった。
ユミは躊躇う事なく一気にパンツも剥ぎ取る。

「ちょっと、待って」
信二は慌てて露出した性器を手で隠す。
女の子達は信二の性器を見てキャアキャア言っている。
ユミは信二の手をどかすと、信二の性器を掴み巧に上下に動かす。
「あっ…」
性器はみるみるうちに大きくなる。
ユミは優しく性器を摩ると、仁美の顔を一瞥した後性器の先端を嘗め、そのまま性器をくわえる。
手を動かしながら性器を嘗めては吸う。信二はユミのテクニックにすぐにでもいきそうになる。
信二は仁美が見ている事を意識しても、快感を抑える事が出来ない。
仁美は信二のそんな姿にこの異様な場の雰囲気を念頭に置いても嫉妬を覚えてしまう。
「あっ…」
ユミは信二がいきそうになるのを見計らって口を離した。
その瞬間性器から精子が飛び出る。精子は勢いよくユミの服につく。
「やだ、こんなに早くいっちゃって。仁美はどんなフェラしてるの」
ユミは笑いながら飛び散った精子をティッシュで拭きながら仁美を見る。
仁美は言葉もなく俯く。
信二も仁美の様子を見て罪悪感が込み上げてくる。
「気持ちよかったか」
唐沢は面白そうに信二と仁美を交互に見て言った。

みんな慣れた手付きでクジを引くが、何度重ねてもこの瞬間の緊張感はなくならない。
「王様だーれだ?」
「やった!あたしだ」
ユミはガッツポーズをする。
「じゃあ、他の子にもフェラしてもらおっと。五番が一番にね」
唐沢がにやりとして一番と書かれた割り箸をテーブルにだす。
「早く、五番だれ?」
仁美がテーブルに五番と書かれた割り箸を置く。
「仁美ちゃんのフェラチオか楽しみだな」
唐沢は信二を見ていった。唐沢はすぐにズボンを脱ぎ始め、パンツ姿になると既に股間は膨れ上がっている。
「仁美ちゃんの下着姿を見てたら興奮してきたよ」
そう言い、股間を仁美の目の前に持ってくる。
「パンツ脱がせて、フェラチオしてよ」
仁美はいやいやと首を振る。
「何やってんのよ仁美。あたしだってみんなに見られて恥ずかしかったのにやったんだからね。
自分だけ逃げようなんていかないよ」
「さあ、ひ・と・み・ちゃん」
仁美は顔を背けながら唐沢のパンツをおろす。仁美の目の前にそそり立った性器が現れる。
「…ちょっと待ってくれ」
信二は搾り出すように言った。
「なんだよ、いいかげんにしろよ」
唐沢は信二を睨み付ける。
「頼むから、やめてくれ」
「ふざけんなよ!自分だけいい気持ちになっといて、何いってんだよ」
「そうだよ信二君、あたしだって恥ずかしかったんだよ」
ユミは頬を膨らませる。
「あぁーあ、お前のせいで、萎えちまっただろ」
先ほどまでそそり立っていた性器が力なく萎えている。
「命令に逆らったペナルティーだ」
そう言うと、唐沢は仁美の豊満胸を掴んだ。

「いやっ!」
仁美は身体を捩るが唐沢は離さない。激しく何度も身体を捩った瞬間、下着がずれて、乳首が露になった。
「いやぁああ!!」
仁美は身体を丸める。
乳首が見えたことで男達は歓喜の奇声をあげる。
「見えたぞ!!ピンクだ!!」
信二が立ち上がろうとするがユミが腕を掴んで離さない。
唐沢の性器は勢いよくそそり立つ。
「仁美ちゃんこれ異常恥ずかしいことになりたくなかったら、フェラチオしなよ」
仁美は露出した乳首を慌てて下着にしまおうとするが、震えて上手く出来ない。
「さあ」
唐沢は再度、仁美の前に性器を持ってくる。
仁美は羞恥心から頬を染めながら、もうこれ以上逆らえないと感じていた。
仁美は唐沢の性器を握ると目を瞑り口に銜えた。
仁美は信二にやってあげている要領で、唐沢の性器を動かした。
「気持ちいいぜ。水橋にもこうやってしてやってるのか。なぁ水橋見てるか」
仁美は首を振り答えない。
信二は俯いて見ないようにする。ただ、耳にはピチャピチャと卑猥な音は遮ることが出来ず入ってくる。
その音が仁美の行っている行為の事実を信二に突き付ける。
「水橋、お前の彼女最高だよ」
「唐沢君お願い、いきそうになったら言って…」
中には出されてたくない。
「わかったよ」
その言葉に安心して仁美は唐沢の性器に集中する。早くこの地獄から抜けたい。
仁美は激しく手を動かし、性器の先端を嘗める。性器が脈打つ感覚がする。
「まさか」そう思ったときには、仁美の口の中に大量の精子が放たれた。
「うっ」仁美の口から精子が溢れ出る。
「わりぃ、我慢出来なかった」
唐沢はにやつき言った。

仁美は直ぐに口から精子を出す。
「なんだ、飲んであげたらよかったのに」
仁美はユミを非難の目で見る。しかし、ユミは意に返す様子はない。
「でも、仁美ちゃん。やっぱ経験豊富だね。俺、色んな子にやってもらったことあるけど一番よかったよ」
信二は堪らず立ち上がる。
「あれ、水橋帰んの?」
唐沢は面白そうに聞いた。仁美が心配そうに信二を見る。
「まっ、お前が帰っても合コンは続くけどな」
「…トイレに行く」
「そっか、彼女のこんな姿にお前興奮して抜きたいんだ。行って来いよ」
唐沢は堪えきれず笑い出した。
信二は無言で部屋を出ていく。その後ろ姿を仁美は涙混じりに見つめていた。
信二が部屋を出た後、唐沢が仁美の耳もとで囁く。
「なあ、これ以上水橋苦しめるのやめれば」
仁美は不安げに唐沢を見る。
「このゲーム、このままいったらもっと過激になるぞ。
俺は別にいいんだけど、仁美ちゃんが色んな男とさっきみたいなこと水橋の前でしたら、
水橋立ち直れなくなるんじゃないか」
仁美は縋るように唐沢を見る。
「俺と抜け出そうぜ」
「…そんなこと出来ない」
「別に俺はいいんだぜ、あいつの見てる前で仁美ちゃんが乱れることになっても」
「…」
仁美は信二をこれ以上苦しめたくなかった。
でも、どうしたらいいのか分からない。
唐沢の言葉を飲めば、唐沢に抱かれることになるのだろう。
それでも、私が言わなければ、信二はそのことを知らずにすみ、苦しめずにすむ。
そう考えると、仁美は決心した。
「じゃあ俺が上手くやるから、話し合わせろよ」
「…うん」
「なんなの、なんか仲よさげじゃん」
ユミは唐沢と仁美を交互に見て、いやらしく笑う。
「そうなんだよ。俺たち、なんか気が合うんだよ。なっ、仁美ちゃん?」
「…うん」
「なに、仁美には彼氏いるのに、やっぱり男好きだね」
仁美はユミを睨む。その時信二が部屋に戻ってくる。
「信二君こっち」ユミは戸惑う信二に抱き着いた。

「なぁ水橋、仁美ちゃん大分酔ったみたいだから、俺が家まで送って行くよ」
「ま、待てよ。なんでお前が送っていくんだよ」
信二は唐沢の突然の提案に驚き言った。
「お前はユミを送っていけよ」
ユミは酔ったのか、信二に引っ付いて甘えている。
「だからって、なんでお前が仁美を送るんだよ」
「仁美ちゃん、俺が送るのでいいよね?」
「…うん。信二はユミを送ってあげて、ユミのこと心配だから。
私は大丈夫、唐沢君に送ってもらうから」
信二は納得いかなかったが仁美が「大丈夫だから」と何度も言うので、結局頷いた。
「よし、仁美ちゃんは俺が責任もって送るよ」
「…ああ」
唐沢は酔った様子の仁美を支えながら出ていった。
信二は二人を見送ると、
「それじゃあユミちゃん送るよ」
「うーん、いや、もう少し、こうしてたい」
ユミは信二の腰に引っ付いて目を閉じる。
「なんだよ、なんかしらけたな」
残った男達は口々にそう言うと、女の子とそれぞれ部屋を出ていった。
結局部屋には信二とユミだけが残った。

唐沢と仁美は寄り添いながらビルから出る。唐沢はビルから出ると直ぐに仁美にキスを求める。
仁美は人目が気になり拒むが、唐沢は強く抱き締めキスをする。
「今、水橋が出てきたら驚くだろうな」
唐沢は面白そうに言った。
「お願い…早く…行こ」
「そんなにやりたいの?」
唐沢はいやらしく微笑む。仁美は早くこの場を離れたくて、思ってもいないことを口にする。
「そうなの…だから、早く、あなたの家に…」
「わかったよ」
そう言うと唐沢はまた仁美にキスをした。
「ねぇ、信二君、ホントに仁美のこと気付かなかったの?」
ユミは信二の腰に手をまわし、甘えながら信二に聞く。
「…何が」
「信二君以外の男と遊んでいたこと」
「…俺は仁美を信じるよ」
「ほんとに、ほんとうに信じてるの」
「…ああ」
信二は確信をもって答えた。仁美はそんな女じゃない。
「仁美がうらやましいな。信二君みたいな人と出会えて」
「…ユミちゃん」
「お願いもう少しこうしていさせて。…お願い」
「うん」
信二は目を瞑ったユミの髪を撫で、ユミが気がすむまでこうしていようと思った。
信二はユミの髪を撫でながら、
仁美に今日起ったことも、不幸なことに巻き込まれただけだ、
だから忘れようと心に言い聞かしていた。

唐沢は部屋につくと直ぐに貪りつくように仁美の口に吸い付いた。
信二も鈍感だから気付かないだろうし、今日のことは私の心の中に留めておこう。
そう仁美は割り切ると、仁美も唐沢に激しいキスをする。
舌と舌がからみ合いお互いの口が唾液で溢れる。
「仁美、水橋のことはもういいのか?」
「…」
仁美は返事をしない。今は信二のことを考えたくない。
黙って欲しくて代わりに唐沢の口に激しく吸い付く。
「ひどいやつだな」
唐沢は吐き捨てるように言うと、仁美の胸を鷲掴みし激しく揉みはじめる。
唐沢と仁美は縺れ合ってベッドに倒れ込む。
仁美のTシャツが首まで捲れ上がる。唐沢は露になった純白の下着を剥ぎ取る。
仁美の豊満な胸が剥ぎ取られると同時に揺れる。
「仁美、乳首が立ってるぞ。興奮してるのか」
仁美は顔を背ける。
「ふっ、ちゃんと答えろよ」
唐沢は胸を揉みしだき、乳首をくわえる。
「あぅぅう」
仁美の乳首ははちきれんばかりに固くなる。唐沢は固くなった乳首を指で摘み、乳首を捻る。
「いやっ、痛い。…優しくして」
「じゃあ、優しくしてやるから、オナニーして見せろよ」
「そんなの…」
「やったことないとは言わせないぞ」
「…恥ずかしい」
「見られるのが好きなくせに。さあ、やれよ」
そう言うと、唐沢はベッドに腰掛けにやついた。
仁美は上半身裸のままベッドに横になり胸に軽く手を触れた。
「そんなふうにやらないだろ。そこに立てよ」
仁美は言われるままその場に立つ。
「そのままパンツを脱いで」

仁美はたじろぐが唐沢の見つめる目購う術もなく従う。
仁美は下着を足首まで下ろし下着を抜き取ると、陰部を手で隠す。
「仁美」
唐沢の咎める言葉に仁美は手を退ける。
「仁美、毛がぼうぼうだな。そこに座って足拡げて、おまんこを見せろよ」
仁美は唐沢を見つめるが、唐沢は表情を変えない。
仁美はその場に座り、足を少し拡げる。
「何やってんだよ。見えないだろ」
恥ずかしさから膝が震える。震える膝を手で支え、徐々に足を拡げる。
「なんだもう濡れてんじゃん。自分でおまんこ拡げてみてよ」
仁美は顔を背け、自分の手で陰部を曝け出す。陰部が溢れるほど濡れている。
不思議なほど興奮を感じていた。クリトリスが遠目にも分かるぐらい立っている。
「仁美やらしいな。クリトリス立ってんじゃん。触ってみろよ」
仁美は言われるがまま、指を動かしクリトリスを触る。ぎこちない指の動き。
「ふっ、エロイ顔してんな。なんか興奮してきたよ」
唐沢は仁美に飛びかかる。仁美を押し倒すと、無茶苦茶に唇を貪る。
仁美も唐沢のキスを激しく求める。
「水橋も可哀想だな。仁美のこと信じて送りだしたのにな」
「もういいでしょそんなこと、私を抱けるんだから」
「ふっ、まあそうだな」
唐沢はにやつき「気持ちよくさせてやるよ」と言うと、乳首を嘗め始めた。
仁美の乳首は敏感に反応し固くなる。
「あぅ、うふぅ」

「仁美ちゃんもっと声出さなくちゃ」
「あん。…ああっ」
唐沢の手が仁美の陰部に近付き、指が陰部に触れる。
陰部に溢れた液体が唐沢の指にべったりとつく。
唐沢は指についたねっとりとした液体を陰部にそうように擦り付ける。
「あぁうぅ…」
指が陰部を激しく刺激する。膣に入ってくる指が膣壁の凸凹を激しく擦る。
「あぅ、あああぅ。はげ…しい…よう」
唐沢は仁美の感じるところを敏感に察知すると、壊れるほどに弄ぶ。
陰部はチャプチャプと卑猥な音をたて、皮の向けたクリトリスが激しい指の動きに痙攣する。
仁美に堪え切らない快感が押し寄せる。
何かが突き上げるような感覚が来て、陰部から何かが溢れ出そうになる。
「やっ、や…めて。なんか…おかしいよ」
唐沢は更に激しく攻める。
「いや、いやっ、もう、だめ…だよ。がまんできない。
あ、あ、あ、あぅぅぅぅぅ…うっふぅぅぅぅぅぅん」
仁美の陰部から液体が弾け飛び、陰部に入った唐沢の指をきつく締め付ける。
「あぁあ、もう、お願いやめて…」
しかし、唐沢は止めない。尚も膣に入れた指で刺激する。
仁美は仰け反り、身体を何度もびくつかせる。
「ダメ…ダメ…ほんとに…こわれちゃううぅ」
唐沢はとどめとばかりに指で陰部を攻めたてる。
「あぁぁあぁぁあぁ…ひぃいぃぃぃっぃぃぃ…」
唐沢がようやく指を仁美の膣から出すと、仁美は涎を垂らした情けない顔を晒していた。
「仁美ちゃん声大きすぎるよ。近所の人が驚くだろ」
仁美は恍惚の表情で唐沢を見ている。
そして、自然と唐沢の性器を握っていた。「入れて…ほしい」

仁美は唐沢の性器に貪りつく。唾液の溢れた口に含み、性器がいっそう大きくなるように愛撫する。
仁美は性欲を抑えきれなくなっていた。
初めて信二とセックスしてから、セックスの気持ちよさに目覚めて、毎日のように求めた。
でも、信二とのセックスは淡白だった。もちろん満足してなかった分けじゃない。
でも、唐沢とのセックスは仁美の隠していた性欲が表に出てくる。
「からさわ…くん」
「わかったよ。仁美ちゃん。いれてほしいんだろ。ちゃんとお願いしなきゃ」
仁美は唐沢の性器をしゃぶりながら奇妙な性的な好奇心も覚えていた。
信二以外の性器を入れてみたい。
「…おねがい。おちんちん入れて」
唐沢は仁美の上になり、陰部をまた弄る。
それだけで、もう仁美の身体はびくびくと過敏に反応する。
唐沢は仁美の陰部に性器をあてがうと、ゆっくりと入れていく。
仁美の陰部は火照った体温と滑りで唐沢のそそり立った性器を包む。
「あーん、気持ちイイよ」
仁美は信二とは違う男の性器が自分の中にあるという興奮が包む。
仁美は唐沢にキスを求めると、自ら腰を振り出す。
「仁美ちゃん。淫乱だな」
そう言われても、仁美は自然と腰を振る。
唐沢はそこで一気に腰を振り性器を膣の深部まで突き上げる。
「はぅぅ…あん、いやん。ふぅうううう」
腰と腰がぶつかる音、陰部から溢れたぬめった液体が性器と擦れて出る音。
全ての卑猥な音が二人を興奮へと導く。
「はぅん、はぅん、はぅん」
唐沢も仁美の陰部の気持ちよさにいきそうになる。
「おれももういきそうだ」
「うん、いって!…私もいくぅぅぅぅ」
唐沢は激しく突き上げると、一気に精子を中に放出した。
「おおぅ」
「あふぅううんんん」
仁美は身体の中に放出された暖かい精子を感じる。
中に放出された事実も上手くとらえることができない。

「仁美ちゃんきもちよかった?」
唐沢は仁美を抱き締めながら息を弾ませ言った。
「…うん」
唐沢は仁美の膣から性器を出す。
性器には仁美から溢れ出た白い液体が、仁美の膣からは唐沢の精子が溢れ出ている。
仁美は恍惚の表情で唐沢を見ている。
その時、いきなり、部屋の扉が開いた。
そこには、ユミと呆然とした信二が立っていた。
信二はこの目に映る現実が夢のように思えた。
そこにいる、自分の彼女の恍惚の表情、隣にいる男のそそり立った性器についている白い液体、
そして、彼女の陰部から溢れ出ている白い液体。
「…しん…じ…」
仁美は火照った身体を隠すためにシーツを慌ててかぶる。
信二に見られた自分の醜態の恥ずかしさにおかしくなりそうになる。
信二は仁美から目を逸らす。その身体は堪えきれず震えている。
「水橋、お前の彼女最高だったぞ」
唐沢は笑いながら言った。
「…しんじ」
信二に仁美の言葉はもう届かない。
彼女を奪われた恥ずかしさと悔しさ、彼女に裏切られた切なさと情けなさ、
信二は仁美の顔をもう見ることは出来ず、逃げるようにその場を離れた。
「しんじ!待って!」
信二は仁美の言葉に反応せず出ていく。

仁美は立ち上がる。これは、一度の過ちだから。だから、信二と別れたくない。
「そんな格好で、出ていくの」
唐沢は笑い出す。
陰部から精子が流れ出ている。仁美はどうしていいかわからず座りこむ。
「い・ん・ら・ん」
二人の様子をそれまで黙って見ていたユミが笑いながらいやらしく言った。
仁美は信じられないとユミを睨む。
「はじめから全部仕組んでたんだよ。まさか、こんなに簡単に引っ掛かるとは思わなかった。きゃはは」
仁美の顔から血の気が引く。仁美は慌てて唐沢の顔を見ると、唐沢はニヤ付きながら、ピースサインをする。
「あんたうっとおしいんだよ。いっつも彼氏の自慢ばっかり。
でも、あんたの愛は軽いねぇ、彼氏のほうは私の誘い断って、最後まであんたのこと信じてたのに」
ユミは吹き出す。
「でも、あんたは気持ちよかったから。いいのかな」
「仁美ちゃんのよがった顔可愛かったよ」
唐沢は仁美の胸を後ろから揉む。
「いやぁ!」
「ふっ、さっきはあんなに求めてきたくせに」
仁美は放心状態になり、涙が溢れる。「しんじ…しんじ」
「あーあ、信二君かわいそう。彼女のこんな姿見たんじゃ立ち直れないか。
でも、あんたには信二君勿体無いよ。あたしまじ惚れたかも…
今の信二君だったら簡単に落ちるか」
そう言うと、ユミは笑って「じゃあねー」と言って部屋から出ていった。
「仁美ちゃん、怒ってる?」
唐沢は笑い出す。
仁美は唐沢を睨むと、服を書き集める。
「仁美ちゃん忘れ物」
唐沢は仁美の前に下着をぶらつかせる。
仁美は下着をひったくると泣きながら服を来る。
「また、やりたくなったら、来なよ」
仁美は服を着ると部屋を逃げ出した。
信二を追い掛けなきゃ、そう思っても、さっきの激しい性行為で腰がふらつく。
「しんじ…しんじ」
夜の街を走る仁美の目から涙が零れ落ち、陰部からは生暖かい精子が零れ落ちた。

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